大人になってから歯並びを整えたいものの、「結局いくら掛かるのか分からない」と迷っていませんか?
矯正の値段は装置の種類や治療期間、通院回数などによって大きく変わります。
この記事では、ワイヤー矯正やマウスピース矯正など主要な方法別に費用相場を紹介し、料金を抑えるためのチェックポイントや医療費控除の活用法まで分かりやすく解説します。
さらに、カウンセリングで確認すべき費用項目や再治療のリスクを減らすクリニック選びのポイントもまとめました。
「想定より高かった」と後悔しないために、必要な情報を先に押さえて自分に最適な治療計画を立てましょう。
総額例や支払い方法も取り上げるので、見積書を比べる際の判断材料としてお役立てください。
矯正費は「どの装置を使うか」と「どこまで治すか」に加え、選ぶクリニックと検査・保定などの追加費用で大きく変わります。
矯正の値段(費用)に影響する主な要素は以下の通りです。
各要素の仕組みを理解しておくと見積書の内訳が読み解きやすくなり、無駄な出費を未然に防げます。
矯正方法が異なれば必要な装置や材料費、技術料が変わり、これが見積額のベースになります。メタルブラケットは材料が安価で工程も標準化されているため70〜100万円が中心ですが、アライナーを数十枚作るインビザラインは設計ソフトやラボ費が上乗せされ80〜120万円になりやすいです。審美性を重視して裏側装置を選ぶと技術難度が跳ね上がり130万円を超えるケースもあります。また、前歯だけマウスピース・奥歯はワイヤーといった混合治療でコストと目立ちにくさのバランスを取る選択肢もあります。
治療の範囲とは動かす歯の本数と上下顎の広さを指し、費用と直結します。前歯のみの部分矯正は装置範囲が限定され通院回数も少ないため20〜40万円で済む場合が多いです。一方、上下顎全体を動かす全体矯正では抜歯やアンカースクリューを併用することもあり、70万円を下回ることはほとんどありません。咬合高を変えるような大掛かりな症例では装置追加や治療期間延長によって100万円を超えることもあります。どこまで治したいかを歯科医と擦り合わせることが最終的な出費を左右します。
自由診療である矯正はクリニックごとに価格設定が異なります。都心の商業テナントにある医院は家賃や人件費が高いため料金も高めですが、郊外でも症例数が少ない医院は技工物を外部委託して追加コストが掛かることがあります。トータルフィー制は初期費用が高く見えても再診料込みで結果的に安く済む場合があるため、料金体系ごとに総支払額を比較しましょう。カウンセリングで料金表と追加費用の有無を必ず確認してください。
矯正治療には装置代以外にも検査料、抜歯費、歯周治療費、ホワイトニング費用が加わることがあります。精密検査料は1〜6万円、X線や3Dスキャンのたびに数千円が発生するケースもあるため軽視できません。リテーナー代は片顎3万円前後が相場で、紛失や破損の再作製には追加費用が掛かります。半年ごとの定期検診は5千〜1万円が標準的で、これらを合算すると総額が初期見積もりより10%ほど増える場合があります。見積書には記載されにくい付帯費用を事前にヒアリングしましょう。
装置ごとに原材料費や技術料が異なるため、相場にも差が生まれます。
ここからは下記の4つの矯正装置の特徴と値段(費用)を解説していきます。
自分の希望と予算を照らし合わせながら、治療後のイメージが近い方法を選ぶのがポイントです。
ワイヤー矯正は症例適応範囲が広い点がメリットです。メタルブラケットなら70〜100万円、審美性が高いセラミックブラケットは80〜110万円が標準です。重度の叢生や抜歯症例でも追加料金は比較的少なく、月1回の調整料が3千〜5千円かかる医院が多いので調整料込みの総額を確認しましょう。セルフライゲーションブラケットを選ぶと摩擦が減り治療期間短縮が期待できますが、装置コスト分だけ数万円上乗せされる傾向があります。
メタルブラケットはステンレス合金などの金属製ブラケットとワイヤーを用いるオーソドックスな方法で、耐久性が高く摩擦抵抗が小さいため歯の移動効率に優れます。装置が銀色で目立ちやすい点が弱点ですが、強度があるので薄く作れ、清掃もしやすいのが利点です。材料費が安価なぶん基本料金は70〜100万円に収まりやすく、追加装置が必要な難症例でも大幅な上乗せは生じにくい傾向があります。急なワイヤー調整にも対応しやすく、多くの歯科医院で扱われているため通院先を選びやすいのも魅力です。耐食性が高く長期間の治療でも変色しにくいので、適切なブラッシングさえ行えば口腔内を清潔に保ちやすい点も安心材料となります。費用を抑えたい人や金属アレルギーがない人に適した選択肢と言えます。
セラミックブラケットは歯に近い半透明色のセラミック素材を用いるため、笑ったときも装置が目立ちにくくビジネスシーンでも気兼ねなく会話ができます。表側矯正の中では審美性とコストのバランスが良く、費用は80〜110万円が標準的です。セラミックは金属より硬い一方で脆性があるためブラケット脱離を防ぐには硬い食べ物のかみ切り方を工夫するなどセルフケアが欠かせません。金属アレルギーが心配な人や写真撮影が多い職業の人に人気で、最近は高強度ジルコニアを採用する医院も増加しています。最新モデルではワイヤー溝が滑らかに加工され、メタルと同等の摩擦抵抗を達成しているため治療期間が延びる心配はほぼありません。審美性を保ちながら複雑症例にも対応できるのが強みです。
透明なアライナーを段階的に交換しながら歯を動かす方法で、全体矯正は80〜120万円、治療期間は18〜30か月が一般的です。部分矯正は20〜70万円に収まるケースが多いですが、装着時間不足や体重変動によるフィット不良で追加アライナー代が発生しやすい点に注意しましょう。精密スキャンを行う医院を選ぶと再製作率が下がり、結果としてトータルコストが抑えられる傾向があります。
インビザラインは米国アラインテクノロジー社が提供するマウスピース矯正システムで、世界100カ国以上・累計1500万症例以上の実績があります。3Dスキャナーで得たデータから歯列変化をシミュレーションし、数十枚のアライナーを作製するため治療の見通しが立てやすい点が魅力です。相場は80〜120万円ですが、追加アライナーが無制限のパッケージを選ぶと長期的な調整費がかからず割安になることもあります。装着時間は1日20時間以上が推奨され、遵守しないと追加費用が生じるため自己管理が必須です。アタッチメントと呼ばれる突起でトルクや回転を細かく制御でき、抜歯症例でも適応範囲が拡大しています。
部分マウスピース矯正は前歯など限られた部位のみをターゲットにしたアライナー治療で、見た目の改善を短期間・低コストで実現する手段として注目されています。費用は20〜70万円、治療期間は3〜9か月が目安で、アライナー枚数を15枚以内に抑えることでコストを削減します。噛み合わせ全体を変えないため、適応症例は軽度のガタつきやすき間の閉鎖に限定されますが、非抜歯で済むケースが多くダウンタイムも少ないのがメリットです。後戻りのリスクが高いため、治療後は透明リテーナーを長期装着し定期検診で咬合をチェックする体制が不可欠です。就職活動や結婚式などイベントに合わせて短期で前歯を整えたい人に適しており、クリンチェックライトなど簡易プランを活用すればさらに費用を抑えられます。
装置を舌側に付けるため見た目への影響がほぼありません。ハーフリンガルは110〜140万円、フルリンガルは130〜170万円が一般的です。発音障害や舌の違和感で通院初期に相談が増えるため調整回数がやや多く、調整料も高めです。症例シミュレーションを提示してくれる医院を選ぶと無駄な再調整を減らせます。
ハーフリンガルは上顎の装置を裏側に、下顎は表側に装着するハイブリッド方式で、発音への影響や装置の厚みを抑えつつ上顎の審美性を確保します。相場は110〜140万円で、フルリンガルより10〜20%安く、表側装置よりは高額という中間的な価格帯です。裏側は舌の動きを妨げやすいためブラケットの厚みやワイヤールートを細かく調整し発音不良を最小限に抑えます。下顎を表側にすることで調整作業が容易になり、通院時間を短縮できる点もメリットです。舌側装置が舌の自浄作用を阻害するため、舌ブラシとフロスを併用するホームケアが推奨されます。接客業などで上顎の装置が見えるのを避けたいが費用も抑えたい人に向いた選択肢です。
フルリンガル矯正は上下顎すべてのブラケットを歯の裏側に配置するため、正面から装置がほぼ見えず矯正中であることを周囲に知られにくいのが最大のメリットです。相場は130〜170万円と高額ですが、芸能・接客業など見た目が重視される職業の人に選ばれています。ブラケットとワイヤーが舌に近接するため発音障害や舌痛が生じやすく、慣れるまで数週間掛かるケースがあります。技術難度が高い分、歯科医の経験値が仕上がりを左右するため症例写真やセファロ分析に基づく説明を必ず受けましょう。食事中に装置へ食物が絡みやすいので、タフトブラシやうがい用ボトルを携帯し口腔内を清潔に保つ習慣が重要です。近年はCAD/CAMリンガルシステムが普及し、装着精度と治療効率が向上しています。
前歯の軽度なガタつきやすき間を短期間で整える方法で、20〜40万円、治療期間は6〜10か月程度が目安です。奥歯の咬合を変えないため後戻りリスクが高く、リテーナー装着を怠ると数年で歯並びが崩れる場合があります。適応かどうかはCTなどの検査結果で判断されるため、診断資料を基に説明を受けることが重要です。
前歯のみの部分矯正は審美性向上に特化した治療で、対象は上顎または下顎の前歯6本程度です。費用は20〜40万円、治療期間は3〜8か月が目安で、ブラケットでもアライナーでも選択可能です。奥歯の咬合高や顎位に影響を与えないため痛みや違和感が少なく、仕事を休めない社会人にも向いています。ただし骨格不調和が原因の症例では適応外となり、全体矯正が必要です。治療後はホワイトニングやエナメル研磨を組み合わせたパッケージが提案されることも多く、短期かつ低侵襲で歯並びを整えたい人に適したオプションです。透明リテーナーのほか裏側にワイヤーを接着する固定式リテーナーを併用すると後戻りを最小限に抑えられます。
小児部分矯正は6〜11歳頃の成長期に行う早期治療で、永久歯萌出スペースの確保や交叉咬合の改善を目的とします。費用は15〜35万円、治療期間は6〜12か月が一般的で、拡大床や簡易アライナーを用いて顎の成長を誘導するため抜歯リスクを下げられるのがメリットです。骨格が柔軟な時期に行うことで歯の移動量が少なくても大きな効果が得られ、思春期の本格矯正を短縮または不要にできる可能性があります。
装置管理と口腔衛生は保護者のサポートが不可欠で、定期チェックを怠ると装置破損やむし歯リスクが高まるため注意が必要です。悪習慣の改善と並行することで治療効果が安定し、体育や管楽器演奏への影響も軽微です。
矯正費を最小限にするには「料金体系」「保定管理費」「キャンペーン利用」の3点を押さえることがポイントです。
総額をシミュレーションしてから契約すると、途中で想定外の出費に慌てるリスクを減らせます。
トータルフィー制か、処置別支払い制かで最終的な負担が変わります。処置別支払い制は初期費用が低く見えますが、毎月の調整料が3千〜8千円、リテーナー代が5万円前後かかり、合計では高くなることがあります。書面で「含まれる費用」「別途必要な費用」を明示してもらい、上限額を確認しておくと安心です。
歯の後戻りを防ぐ保定期間は矯正成功のカギです。保定管理費にはリテーナー作製代や定期検診料が含まれ、年間1〜3万円が目安です。歯ぎしり防止用ナイトガードを追加すると1万円前後かかることもあるため、治療費と合わせて長期計画を立てることが費用抑制につながります。
開院記念割引や装置メーカーとのタイアップで、矯正基本料を10〜20%割り引くキャンペーンが実施されることがあります。症例写真提供を条件にインビザラインモニターに参加すると10万円以上安くなる例もありますが、通院回数や追加費用の条件を確認し、総額と治療品質のバランスを見極めましょう。
価格が安いだけで医院を決めると、想定外の追加費用や治療後のトラブルにつながりやすくなります。費用面と同じくらい信頼性やフォロー体制を確認しましょう。
日本矯正歯科学会の認定医・専門医は5年ごとに症例提出と試験を受け資格を更新します。年間症例数が100件以上のクリニックはスタッフ連携が円滑で、トラブル時の対処が速やかです。資格証や症例写真を提示できるかどうかを面談時に確認し、治療計画の精度を見極めましょう。
初診カウンセリングで口腔内写真、レントゲン、3Dスキャンを使いながら装置別のメリット・デメリットと費用差を説明してくれる医院は信頼度が高いです。質問に対して時間をかけて回答する姿勢があるかを確認し、複数医院を比較して納得したうえで契約しましょう。
装置撤去後の保定管理、治療後5年以内の後戻り保証、装置破損時の無償修理など、アフターケア体制は医院ごとに差があります。保証期間と対象範囲が書面化されていない場合、思わぬ追加費用が発生する可能性があります。長期的な安心感を重視することが結果的に費用対効果を高めます。
高額な矯正費でも「一括」「分割」「医療費控除」の組み合わせで家計負担をコントロールできます。
返済シミュレーションと還付額の試算を行い、自分に合った資金計画を立てることが大切です。
治療開始時に全額を支払う方法で、金利や事務手数料が不要なため総支払額を最小限に抑えられます。銀行振込やクレジットカード決済に対応する医院が多く、カード利用でポイント還元も期待できます。ただし80〜150万円を一度に支払うため、家計シミュレーションと緊急資金の確保が欠かせません。
デンタルローンやカード分割を利用し、月々1万〜2万円で支払う方法です。金利は年5〜10%が一般的で、支払回数が36回を超えると利息負担が大きくなるため、繰り上げ返済が可能かを確認しましょう。医院独自の無金利での分割を提供している場合もあるので相談してみてください。
年間10万円を超える医療費は確定申告で医療費控除を受けられます。ただし、噛み合わせ改善が目的など、審美性向上の目的ではないことや、医師からの診断書が必要など、条件があるので注意しましょう。
最後に矯正の値段に関するよくある質問を3つ紹介します。
装置変更の理由は計画変更、装置不適合、審美性の希望変更の3つです。新しい装置代の50〜80%を追加請求する医院が多く、変更前の残存装置分は返金対象外となるケースが大半です。契約時に装置変更時の費用計算式と条件を確認し、想定外の支出を防ぎましょう。
後戻りや治療目標未達で再治療が必要になった場合、追加費用は10〜30万円が目安です。ただし治療完了から1年以内の保証期間内なら無料調整が含まれることもあります。再治療では歯根吸収リスクや歯周状態を再評価する必要があるため、専門医に相談しましょう。
治療期間の延長、リテーナー紛失、装置破損は追加費用が発生しやすい代表例です。アライナーをペットが噛んだ場合の再製作には2〜5万円、裏側装置のワイヤー変形修理には1万円程度が掛かります。転勤で通院先を変更する際は紹介状作成料や再検査料が必要になるため、ライフイベントを見据えた治療計画を立てることが出費抑制のポイントです。
矯正の値段は装置の種類・治療範囲・クリニックの料金体系・その他の費用によって決まります。ワイヤー矯正は70〜110万円、マウスピース矯正は80〜120万円、裏側矯正は130万円前後と幅広い相場が存在します。
費用を抑えるには料金体系と追加費用を確認し、保定管理費や医療費控除も含めた総額を把握することが大切です。価格だけでなく専門性とアフターケアを重視し、支払い方法やキャンペーンを活用した資金計画を立てて、自分に合った矯正治療を選びましょう。
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